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働き方変革成功企業事例

対談 株式会社えがお 池端様・角田様 × 株式会社ワーク・ライフバランス 村上

対談 株式会社えがお 池端様・角田様 × 株式会社ワーク・ライフバランス 村上

村上:本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは、池端様のご経歴とその時々で働き方に関してどのようなお考えをお持ちだったのか教えていただけますか。

池端様:私は、もともとある証券会社に入社して10数年働いていました。その後、外食チェーンやテレビ通販の会社を経験しました。この会社には来てから1年弱になります。当初入った証券会社は典型的な日本の昔のモーレツ会社でした。ワーク・ライフバランスという言葉は会社のどこを探してもありませんでした(笑)その後の、外食チェーンや通販の会社では様々な方が働いてらっしゃっていて、どちらかというとパート従業員・アルバイトの比率が高い業種でした。年齢は、下は高校生から、上は親よりも年上、で男性・女性どちらもいらっしゃいました。様々な境遇の方に良い環境で働いてもらうためには、色々な配慮を考えていくことが大切と感じました。通販会社では、24時間のコールセンターが稼働していたものですから、昼働かれる方・夜働ける方、そうした様々な方に対しても会社がきっちり対応しないといけない。まさにワーク・ライフバランスを考えざるをえない。その大切さは理解しているつもりです。


村上:ありがとうございます。えがお様に移られて1年弱ということは震災もご経験されましたか?また震災によって社員の考えや働き方に何か影響はありましたでしょうか?

池端様4月に来てすぐに震災でした。私どもの会社ではスマイルさんというパートがいて、彼女たちの話を聞くと、地元意識や家族と一緒にいたいという意識が強まったという話を聞いたことがあります。

角田様:私達は震災前に丁度働き方の見直しの取組みをしていました。私達のチームに一人スマイルさんがいるのですが、震災中ご両親のお世話でなかなか動けないから1週間お休みが欲しいと言って休まれました。この取組みがあったからこそ、業務シェアができて、何とか業務を止めずに送り出すことができました。もし取り組んでいなかったら、かなり慌てていたと思います。コールセンターのサポート部門なのでお客様にもご迷惑をかけていたかもしれません。


村上:そんなことがあったのですね!今伺って感激しました。ワーク・ライフバランスという言葉が出ましたが、私達が考えているのは天秤のイメージではありません。例えば、ワークでの効率化の工夫が家事に活きる。ライフでの人脈やインプットが仕事のアイデアに活きるという相乗効果の関係であると考えています。今や政府もワーク・ライフバランスを実現する上で働き方改革が必須であるということを様々な機会で発信し、36協定の上限時間の設定なども検討している状況です。

上限と言えば、御社では「執務フロアに朝の8時から夜の20時までしか入れない」というかなり踏み込んだ取組みをされていると伺いました。詳しく教えていただけますでしょうか?

池端様:執務室に入る時間を制限し、8時から20時までとしています。セキュリティもありますので、だれがいつ入って出たかログを取れるようにしています。また、会社のシステムにログイン・ログアウトした際の時間も確認するようにしています。例えばパソコンを持ち帰ってもログインする時間も制限されていますので、時間外に見ることは事実上できないようにしています。

入退室の管理とシステムへのアクセスの両方で、仕事を持ち帰って長時間の残業をしないように仕組化しています。


村上:県内企業の中でという範囲ではなくて、全国的に見てもかなり踏み込まれた取組みだと感じています。なぜここまで思い切った取組みをすることができたのでしょうか?

池端様:これまでどうしても部署によっては業務の関係で夜遅くまで執務室に残っていたり、あるいは朝早く来てやるといった、長時間労働に繋がる状況がありました。私は人事担当なので”本人が申告している時間”、”執務室に入室している時間”、”PCにログインしている時間”の3つを比べることができます。そうすると差がある社員がいて、問題提起に繋がりました。

安倍政権の働き方についての提言も出ている中で、当社もよりきっちりしないといけないよねという機運も高まってきました。普通の会社さんがやっているように、「ルールを決めましょう!」とだけ伝えても、守れないのではないか?また声がけだけでは変わらないのではないか?と考えました。「ある程度強制的なルールでもってやらない限り、働き方・仕事のやり方は本当には変わらないのではないか?」という想いで始めました。ただ、時間を短くして持ち帰りもできず業務が回らなくなると当然困るので、無駄をなくすための業務の棚卸しもしています。“時間の制限”と”無駄な仕事をやめる”ということをセットで進めています。


村上:“無駄な仕事をやめる”とは具体的にどのように進められているのですか?メンバーだけだと、業務の優先順位はつけることができても、捨てるまでの意思決定ができないことが往々にしてあります。どうされたのですか?

池端様:今やっている業務を全員に洗い出してもらって、「これはまとめたらどうですか?」とか確認しながら必要性の高い仕事を整理しています。人事部長だけでなく私もそれぞれの部署に行っています。「それはいらないんじゃない?」「それはむだなんじゃない?」って(笑)どこの会社でもそうだと思うんですけど、放っておくと仕事は無駄が多くなっていくので。

 


村上:執務フロア入室禁止の取組みはいつから、またどうやって始めたのでしょうか?社内に戸惑いもあったのではないでしょうか。

池端様:3週間程前からやり始めました。村上さんいいタイミングに来られましたね(笑)
始める前に全社員に事前の説明会を開きました。それが良かったと思っています。人事部長が10回ほど説明を行いました。「説明会に途中からしか参加できなかった人はもう1回出てください」と徹底しました。

それでも、やはり「仕事を持ち帰っている人がいる」とか、「時間だけ制限しても意味がないんじゃないか」という意見もいただいています。そうした意見については、会社の朝礼などで「仕事を持ち帰るというのはやり方としては間違っているので、そうではなくて働き方を変えましょう」というメッセージを継続して伝えています。

今までの働き方を変えずに、時間だけ短くなったので仕事を持ち帰ろうとする人もいるようなんですけども、働き方を変えようという趣旨にもあっていませんし、家で仕事するということはセキュリティ上も望ましくないので、そうした間違ったやり方はきっちり説明して直してもらい、働き方を変えてもらいます。もちろん、浸透するには時間がかかるとは思いますけども。


村上:お付き合いをさせていただいているお客様の中に、時間の上限を入れた企業様が数社あるのですが興味深い変化が起こっています。例えば、安心して働けるということで企業内の出産率があがりました。また、自己研さんの意欲も上がります。ある大手証券会社では支店の残業を禁止したことによって、「短時間で成果を上げる必要がある」とCFPの資格を取得する方が増え、今では業界No.1の資格保持者数となっています。

池端様:当社でも3週間で既に変化が表れています。時間制限をするようになってから、当社の地下にジムがあるんですが、これまで18日間で51名の利用者だったのが、取組み後は同じ期間で102名と利用者が増えました。しかも当社には、保育園がありますので、企業内出生率が上がっても大丈夫です(笑)女性に安心して働いてもらえる、あるいは女性に長く働いていただけるような取組みを非常に一生懸命やっています。今挙げた保育園もそうですし、色々な事情――産休育休はもちろん、お子さんの事情にあわせたサポートを行っています。また、シングルマザーの方により働きやすい環境整備をしようと力を入れています。色々な境遇の女性の方にも安心して働いていただけることを凄く大切にしていますね。


村上:お話を伺っていて、多くの方に伝えたいという想いをますます強くしました!
ここからはショップサポート部ワークフォースチームの角田さんにもお伺いします。私たちは2015年10~2016年2月まで角田さんの所属部署にコンサルティングに入らせていただきました。当時、チームとして何を目指していったのか、またその際の苦労を教えていただけますでしょうか?

角田様:コールセンターのサポート部門なので、突発業務が多くありました。チームとして目指したことは、その突発業務に対応するために、業務をシェアする、残業削減をする、最終的にはリフレッシュ休暇100%取得するということです。当初進める中で「そもそもそこの取組み自体が残業を発生させるのではないか」という葛藤が大きかったんです。チームもリーダーはもちろん進めたくて、「これをやろう・あれをやろう」と伝えていましたが、他のメンバーとの温度差が生まれていました。メンバーの中には「残業はなくならないでしょ」とか「リフレッシュ休暇取得は無理でしょ」とマイナスな意見を持っている人も多くいました。考え方を変えるというのがかなり難しかったです。ちなみに私自身も無理だと思っていました(笑)取組み部署に選ばれたという話を聞いた時も「なにそれ?」と思っていました。なので最初は私も積極的ではなく、「やらなきゃいけないのね」というくらいの認識でした。


村上:ご自身のモチベーションも低かった中でどうやってメンバーを巻き込んでいったのでしょうか?

角田様:やらなければいけないということは分かっていたんですね。そこでみんなで話し合い「やるからには楽しもう!」と決めました。1つ1つのことに楽しみを見出そうとしました。カエル会議も最初はどよ~んとした雰囲気だったのですが、1回は発言しようね!と話し合いながら進めていきました。”楽しむ”というキーワードは、私も伝えていました。


村上:楽しもうとする雰囲気は伝わってきました。例えば、有休取得についての取組み。私達が「ライフで何をしていくのか、見える化するといいのではないですか?」と提案しましたね。でも、角田さん達は見える化するにしてもかわいいシールを使われたり、リフレッシュ休暇を取得し最も充実していた人を表彰しよう!と、どんどん施策をアレンジされていたのが印象的でした。先ほど、突発と残業削減とありましたが、それぞれ具体的にどのような取組みをされたのでしょうか?

角田様:最終的には突発業務をなくすことで残業が減っていきました。まずは、残業がなんでこんなに発生するのか、自分たちで分析したところ、突発業務への対応が時間内にできていないことが分かりました。なので、突発がいつ起きて、それが何なのか明確にしよう。朝夜メールを使って、実績を入力して、どうすれば時間内に対応できるか考えていきました。分析する中で突発の要因が2つあることが分かりました。

1つは自分たちのミスだとか配慮が足りていないだとか、先回りできていれば突発をなくすことができた自部署起因のもの。もう1つは上からの指示で起きたこと。後者に関しては、周りにも「私たちはこうした取組みをしているよ」と広め、「17時以降の突発は明日でいいですか?今日中じゃなくてもいいですか?」と残業を発生させてまでやることなのか確認するようにしました。私達だけで伝えられなければ、上司の力も借りるようにしました。

突発対応については、朝夜メールを使って発生したことが分かった時に、エクセルの表に起こすようにしていました。その表には「このように対応することでもう1度発生した時に回避することができます」と毎日1つ1つ記入して対策を考えました。その上で、毎週のカエル会議の中で、「この対策で本当にいいのか?」「もっとこういうこともできるよね」と対策を話し合いました。最初の3ヶ月間、取り組んでだいぶ突発が起こらなくなりました。11月~1月までしかシートの記入はないんですね。2月の時点では何もしなくても、発生しなくなったということです。

 


村上:突発業務はよくある課題ではあるのですが、解決の難易度が高いものですよね。私が御社に伺った時の正直な感想を申しますと「5か月という限られた時間で、突発業務をメインテーマにしてしまうのか・・・」と感じていました(笑)テーマが難しいと挫折してしまうこともあり得るので、そうならないようにサポートしなければと考えていました。ただ、そこで果敢にチャレンジされていて、しかも楽しみを見出されている様子を見て、みなさんとだったら短時間でも成果に繋げることできる!と確信しました。

角田様:そうだったんですね(笑)

村上:残業削減は突発業務発生の原因分析以外に、何か対策をしましたか?

角田様:プロジェクト期間が終わった後も広げているんですけど、通常業務が8時間あるところを7時間にして、1時間の空き時間―クッションタイム―として朝の時点で予定を組んでいました。みんなそれぞれクッションタイムを昼前だとか、17時だとか決めて設定しています。7時間と1時間短くしてスケジュールを組むことで、もし何かがあったときでも対応できるようにしています。もし他の業務が押しても、オーバーした分が全部そこに収まるということをしています。そうして残業時間は減っていきました。「今すぐできるから明日からでもやって」と隣の係にも紹介しました。隣の係は男性ばかりのかなり残業が多いところだったのですが、今はともに声をかけあいながら、18時半頃には帰れています。


村上:角田さんはもうワーク・ライフバランスコンサルタントですね(笑)今お伺いしたような取組みを進めたことで、チーム内でどんな変化が起こりましたか?

角田様:最終的には残業時間が減りました。チーム合計1か月約180時間だったところが約120時間に減りました。元の残業時間の約70%程度になったんです。また、最終的なゴールであったリフレッシュ休暇を全員取得することができました。これらがもちろん充実に繋がっているんですけど、最終的にはチームワークがかなりよくなったということを実感しています。

取組みを通じて、朝夜メールを使ってコメントを頻繁にしあっていたので「今日は予定があるんだこの人、絶対に18時に退社だな」と気づいたり、充実実感シートを使っていたので、「この人のお子さんダンスレッスン行ってるんだな」とか「この人はパン屋さん好きなんだな」とかお互いのプライベートについても知ることができてチームワークが高まりましたね。


村上:今でも続けている取組みはありますか?

角田様:一昨年と比べたら人事異動などでかなりメンバーが入れ替わっているものの、この業務はこの人とこの人、と必ず複数担当をつけて業務シェアをするようになっています。

村上:ありがとうございます!最後に今後WLB・働き方改革をどう進めていくか教えてください!角田さんには個人やチームという単位で、池端様には企業単位でお話し頂ければと思います。

角田様:取組みを継続できている部分がかなりあって、会社的に労働時間を見直そうという動きにもかなり対応が出来ています。今後も継続していくのと、他の部署にもどんどん発信して、みんなが同じ思いで取組みを進めて行ければいいなと思っています!

池端様:今、会社として健康を通して社会に貢献するという大きな目標を掲げています。その中で社員がもちろん健康でないといけないんですけども、様々な方にも働く環境を整備したい。シングルマザーだったりとか、色々な方の力をお借りして会社が成り立っていますので、今よりも幅広い方に安心して働けるような環境整備が大変重要なことだと思っています。そのためにワーク・ライフバランスを整備していきます。

村上:今日は貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました!


株式会社えがお

所在地
熊本県熊本市東区東町4丁目10-1
従業員数
527名(グループ全体、2016年12月時点)
HP
http://www.241241.jp/
採用ページ
http://www.241241.jp/company/recruit/
会社概要
“えがおの黒酢”をはじめとする健康食品・サプリメントを、通信販売を通して全国のお客様へお届けしています。

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