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働き方変革成功企業事例

大東建託株式会社様:残業時間を削減し、「その先の働き方」を追求する

    大東建託株式会社 働き方見直しコンサルティング 最終報告会

取組前の課題

長時間労働が常態化している上に、特定の人に仕事量が偏る傾向が顕著に。

取組後の変化

知識と情報を共有し、チームのレベルアップを図ることで、残業時間の削減に成功

働き方見直しコンサルティング 最終報告会

■最終報告会ダイジェスト!

取り組み発表に先立ち、事務局による冒頭挨拶と趣旨説明が行われた。

今回の働き方見直しコンサルティングは、長時間労働の改善、社員の意識改革実現を目的として2016年11月にキックオフ。各チームが設定したチーム目標のもと、「朝夜メールの活用」「カエル会議」「定例会」などを通じて、試行錯誤しながらさまざまな取り組みが行われたものであることを紹介。最終報告会では、その取り組みの内容と成果を発表し、参加者間で広く共有するというゴールが提示された。

これに続き、ワーク・ライフバランス社コンサルタントからは、発表にあたっての注意点とともに、発表に対しては感想やアドバイスなどの「反応」が重要であると伝えられ、各チームの発表がスタートした。


■各チームの発表

【1】柏支店業務課

同課では、「業務に優先順位をつけ、前年対比月10時間の残業削減につなげること」を目標として活動を実施。中間報告以降に行った改善と見直しとして挙げたのは、以下の3つである。①業務確認依頼票の修正、②時間外の業務依頼方法の見直し、③ファイルサーバーのフォルダ整理。①、②は業務の優先順位付けに大きく寄与し、③は必要なファイルと不要なファイルを分類し、検索時間の短縮化につながったと報告した。

一連の改善を通じて、一人あたりの残業時間、総労働時間は減少傾向を示した。ただ、一部の担当者に業務が集中する傾向を解消する必要があったことから、役割分担の見直しを実施。今後は、残業が減少する見込みであるとの見通しが伝えられた。

今回の取り組みを通じ、メンバー間での意識の高まりを実感。チーム目標を「前年対比月10時間の残業削減」から「月10時間の残業時間にする」ことが明言された。質疑応答を挟んで行われた提案では、役員から業務の標準化に前向きな姿勢が示された。

【2】柏支店設計課

同課では、1人の仕事量が多い、残業時間が多い、振替休日が取れない、生活環境が悪い、といった諸問題を踏まえ、「能力差をなくすためみんながエースになる。生活環境を良くするため、整理整頓して虫を退治する。時間を有効活用し、憩いの時間をつくる」という目標を設定。課題を明らかにして、改善に着手してきた。

チームとして問題解決に向けて実行した15の取り組みのうち、効果が大きかった6項目を紹介。担当業務の進捗状況について誰もが一目でわかる「オーダーボード」についての取り扱いが紹介されたほか、ネット上の掲示板(つぶやき掲示板)の活用による知識交換やルール設計、本社のスペシャリストを講師に迎えての研修の実施、本社との「交換留学」によるスキルアップなど、意欲的な取り組みが目立った。

取り組みの結果、チーム内での能力差が解消方向に向かい、残業時間が25%減少したなどの成果を強調。質疑応答でも、交換留学や朝メールなどの取り組み意義について、活発な意見交換が行われた。

チームとして行った各種改善について、全国展開を要望する提案がなされ、役員側からも、できるところから前向きに採用する意向が伝えられた。

【3】熊谷支店業務課

朝メールの実施による情報共有、業務の問題点解決に向けた能動的な取り組み、残業時間対前年比20%削減、営業支援・顧客サービスの重視といった目標を設定。

時間を取られている業務の問題点と原因を探り、丁寧な裏付け調査を行った上で改善策を導き出してきた過程を丁寧に発表した。具体的な改善策として、建築営業担当がお客さまへ配りきれていない配布物の郵送手続きを業務課にて実施。アンケート付きの送付書を同封し、営業支援にもつなげたとした。

また、賃貸営業担当へは、入居者様あての郵送書類の返戻防止のため、転入届出書の回収依頼を徹底することや、入居書類の作成不備が多発していたことから、担当ごとに不備件数の状況を見える化し、正確な入居書類作成をするよう働きかけを行った。これにより書類不備件数が減少し、チェックを行う業務課の確認作業の負荷に改善が見られた。更に業務課内においては、朝メールの活用により、お互いの予定を把握することができるようになるなどの成果が報告された。定量的な成果としては、対前年比平均38%の残業時間削減を達成。目標の達成度も80%にまで向上したことが伝えられた。

また、チームからの提案として、社有車修理時の見積もりに関するルールの見直しなどが提言された。綿密なシミュレーションをもとに、根気よく改善を図ってきた道筋がうかがえる発表となった。

【4】高崎支店設計課

同課では、「常に周りに気を配り、声を掛け合い、協調性を持ち、社内ツールを活用して経験の差をなくす。納期意識を持った日常業務を遂行し、業務時間の削減を図る」との目標を設定。

具体的な取り組みとして、まず紹介したのが、進捗管理表の活用。担当ごとに付箋の色分けをするなど、わかりやすいビジュアルを追求したと報告。質疑応答の時間中も情報共有のあり方について建設的な意見が飛び交っていた。

「アニバーサリー休暇の全日数取得」に向けては、支店内予定表ホワイトボードを活用し、他部署にも休暇取得予定を通知したほか、休暇中の対応も通知するなどの工夫も行ったことで休暇取得に成功したと報告された。

ほかに、朝30分のミーティング、本社からの講師派遣によるCAD研修・OA研修、支店内依頼事項記録簿の作成といった多岐にわたる取り組みが発表された。メンバーにも多くの気づきがあり、今後の継続にも前向きな姿勢が伝えられたほか、残業削減については全社的な取り組みの必要性が訴えられた。

【5】国分寺支店業務課

取り組みの中でも、週に2回の定時退社に重点を置き、対策を考えて実行してきたという同課。週2回定時退社の改善率は157%と結果を残したものの、突発する業務への対策が必要との認識に至り、“定時退社の質向上”実践に移してきたと発表。

具体的な取り組みとして発表されたのが、見込み客カード登録の取り組み。当日中に登録が必要なもの、翌日登録でよいものの振り分けにより突発業務の50%削減につながったほか、登録システムの改善による時間短縮を図ったと報告。

ほかに変更契約、受注申込書領収書発行への対応など、解消が一筋縄ではいかない突発業務について、問題解決の糸口を検討してきた過程が明らかにされた。突発業務の解消に向けたシステムの導入を訴えた提案に対しては、役員側から電子化対応の見通しなどが伝えられた。気持ち良く定時退社するために、あくなき改善を目指す意欲の高さが光った。

【6】国分寺支店設計課

同課では、「皆でわいわい活気のある職場環境を整備し、1年前の自分を超える能力をぐんぐん身につけ、効率良くきびきび仕事をし、前年対比1日1時間の残業短縮を行う」との目標を設定。中間報告会後に課題を変更し、土地購入からの建物賃貸事業にともなう弊害や不具合、業務効率の低下の課題解決に向け取り組んできた。現地調査の効率化、移動時間を活用した業者との打合せ、現地動画の共有などの取り組みを実行したと報告。

残業時間は、5月度は前期比25%以上削減という成果を残したことを明らかにした上で、さらなる効率化やモチベーションアップに向けた説得力のある提案を展開した。

■コンサルタント総括:WLB社大畑

全チームの取り組み発表を受け、コンサルタントによる総括が行われた。

法律で労働時間の上限規制が定められることで、働き方がどうなっていくのか。これを高校野球にたとえて「連投して勝っていたエースピッチャーに球数制限が導入されたようなもの」と解説。勝ち続ける組織であるためには、全員がスキルアップし、全業務を担当できるようにしていく必要があると強調した。

今回、発表を行った6チームには先進的な取り組みも多々あり、業界内でもトップランナーであると評価。働き方改革においては、業界内で先行した利益がはたらきやすいため、このまま業界をリードして、他部門もメンバーを引っ張っていただきたいと呼びかけた。

先進的な取り組みについては積極的に発信していくべきと述べ、裏方として尽力した事務局に拍手をおくり、感謝の気持ちを伝えた。

■役員総括

最後に役員による以下の総括が行われた。①活動を全国展開することで、さらに好成績につながり、人材定着にもつながると述べ、自らも各事業部に広げていくことを約束した。②報告会の中で役員自らコメントした内容について、責任を持って全国展開を検討し、活動を社内報等で周知するとコメント。働き方改革はまだ始まったばかりであり、各チームには働き方の先端を走ってほしいと期待を述べ、これからの協力を呼びかけてコメントを締めくくった。


モデル部署リーダーインタビュー

働き方改革に取り組んだモデル部署のリーダーたちに、取り組み当初の気持ちから今の気持ちへの変遷、
これから働き方改革に取り組んでいこうとする方々へのヒントとアドバイスをいただいた。


森様(柏支店・設計課)

年齢の若い担当者が多く、業務負荷が一部の担当者に偏っているというのが私たちの問題でした。働き方改革のテーマのひとつは「能力差を無くす」であり、このために、おそらく全モデル部署の中で私たちが最も楽しく、最も向上心を持って取り組むことができたと思っています。働き方改革として何かに取り組むときには、全員に役割を持たせ、数多くの取り組みを次々に実験して、毎日2回進捗を確認し合いました。行動力と有能さを存分に発揮したんです。

「毎日2回」というのは、朝の営業朝礼後と夕方の定時前に仕事を見える化したオーダーボードの前に集まってミーティングをしたということです。議長がいて参加者がうなずくだけの「フツーの会議」では参加者が何か行動を取ることはありません。必ずひとりひとりが話すように工夫をし、全員の行動につなげていきました。

私たちは能力差を無くすために、失敗や反省を全員で共有して全員がその件について発言するようにしています。それを「会議」のように全員が集まった場で行うのではなく「つぶやき掲示板」を用意し、そこに記入していく方式を取りました。一人ひとりが自分の都合のよいときにつぶやき掲示板を読み、コメントを書き込んでいくため、効率的で充実した内容が蓄積されます。過去の失敗や反省を読み込んでいくことで学びが深まることはもちろんですが、行き詰った仕事の相談も書き込んでいくため、全員が技術、スキル、経験、ノウハウ、成長への高い意識を共有することができています。私から見ると、若手の川村さんの顔つきが変わり、仕事ぶりは大きな進化を遂げ、次々と契約物件に取り組む姿勢は頼もしく、とてもうれしいです。

今回の取り組みを通じてわかったことは、やれることはたくさんある、いくらでも働き方を改革することができるんだということです。そしてそのためには、私たちだけではなく、営業を含む支店内、他支店、本社など大東建託がひとつとなって働き方改革の温度を高めていくことが必要だと感じています。


金巻様(高崎支店・設計課)

ワーク・ライフバランスの講演に出席した当初は、休暇取得もままならない課内の現実と、講演内容が伝える理想との間に、大きな隔たりを感じ、少し何かをすれば解決できるような内容ではなく、理想は遠くにあると感じました。しかし同時に、会社が変化の戸口に立っているのは事実であり、変化を楽しんでいこう、明日の自分に間違いなくつながることなのだからやってみよう、遠いと感じた理想は案外近くにあるのかもしれないと考えました。
これから取り組まれる方へのアドバイスはまず、「休みを取得する」ということをテーマに扱うときには注意が必要だということ。自部署と密接に連携する他部門において、休みを取得することによる問題が決して発生しないように他部門に対しての調整を図っていくことが欠かせません。そして「相手の気持ちを考えている」ことを十分に他部門に伝える(なかなか十分には伝わりません、相手の捉え方は千差万別です)こともしっかり行うべきです。

次に、カエル会議においては、課長である私が話すと方向の誘導になりかねないと思い、ときどき欠席したり、結論を話してしまわないようにして、担当者みんながやりやすいように施策を実行していってほしいと考えていました。進行を担当に任せてみながら「自分たちが、自分たちのために、どう改革していくのか」を議論してもらうようにしたというのが私の工夫です。

仕事を「見える化」しようとなり、付箋とホワイトボードを使って進捗管理をしていこうということが決まりましたが、しばらくすると「付箋に書いて貼ることさえ面倒」となり紛糾したこともあります。しかし「正直な本音」をしっかりと出し、向き合っていく環境をしっかりと作ることも、カエル会議には必要です。「貼るのも面倒」という事実には課長として一瞬、とても残念に感じましたが、すぐに次への希望だと思ったことをよく覚えています。当初の意図や目的を見失い、形だけを追いかけ、ついには「面倒だ」となり「貼っていない(更新していない)」とは、なかなか仕事の場面では口に出せることではありません。しかしこの本音が出せたからこそ、目的を再確認し、面倒になってしまう原因を考え、設置場所やタイミングなどを検証し実行に戻せたのです。


関根様(国分寺支店・設計課)

組織の一部から声を上げたとしても、大きな組織なので経営陣まで届かないのではないか?そんな先入観から、大きなムーブメントを起こそうという考えまでは持っていませんでした。しかし、課員のみんなから経営陣が推進しようと呼びかけている働き方改革なのだから、直接訴えることのできる大チャンスだろうと捉える反応や姿勢があり、勇気づけられました。

今は、「働き方改革に一緒に取り組んできた」という強い一体感が、課内に残っています。活発な意見交換や他人を思いやる豊かな人間関係が構築され、一人ひとりを見ていると自信を持って積極的に行動するようになり、言動にも前向きな姿勢が見られるようになりました。今まで私たちの間でプライベートなことを話すのは、飲み会の時くらいだったのですが、今では私だけではなく、お互いのことを知ろうとするような質問がたくさん飛び交い、みんなで会話をして、みんなでコミュニケーションをあげていこうという雰囲気が感じられます。最近嬉しかったのは、私が朝メールに書いたコメントを、ふとしたときに話題にしてくれた課員がいたことです。自分のことを見てくれているんだなとうれしく思い、信頼感が増しました。

働き方改革とは、残業削減を目的としたものではなく、やりがいを持って仕事に取り組めるようになる組織の活性化や組織の発展、そしてひとりひとりの生活の充実を目的として取り組むものです。そのためには、自分たちだけのために行うのではなく、本社や他支店を巻き込んだ、一見「本当に実現できるのか?」と思われるような壮大なテーマで「フルスイング」することが重要です。


大山様、今井様、田中様、南端様(熊谷支店・業務課)

朝メール.comは当初は面倒だと感じましたが、コミュニケーションのツールとなり、メンバーの状況を把握、確認することができるようになってくると、良いものだとわかりました。お互いの状況が毎日わかり、朝メール.com上や対面での会話が増えていくと「少し時間が経ってしまって、今さら伝えるのもなと思われる御礼」も伝えられるようになりました。例えば私がシュレッダーにかけようと思っていた書類を、ささっと代わりにやってくださったメンバーがいました。気が付いたときには退社後で、さらに週末をはさみ…となるとなかなか週明けに改めて言いにくくなってしまったりします。そんなことを気軽に話せる職場環境になりました。

働き方改革のポイントは、自ら考え工夫する、受動的ではなく能動的に取り組むということにあると思います。例えば、他の人から教えてもらった仕事を、今までずっとそのときのやり方のまま続けてきたとしましょう。なんとなく不便だと思うことや、不都合があっても、「こういうものだ」として処理していることが多いかもしれません。しかし不便だ、無駄だと感じたことをどんな小さなことであっても書き留めておきます。少しでも早くできる、ミスが発生しにくくなる、そんなポイントがたくさん見つけられるようになります。すると、働き方改革をゼロからスタートするわけではなくなり、ずっと能動的に、ずっと前向きな気持ちで取り組むことができると思います。

※写真は田中様


鈴木様(国分寺支店・業務課)

カエル会議を毎週開催するということについて、時間をどのように確保しようかと思っていましたが、実際には週に1回・30分のカエル会議の時間を確保することは難しくなく、無理なく実施することができました。このプロジェクトとしての取り組みは区切りを迎えたのですが、カエル会議は業務改善だけではなく、なんでも気軽に発言、相談できる場であり、今後も定期的に継続していきます。

私たちの課では、週2回のノー残業デーを実施しようという、当初の見込みではハードルの高い取り組みを目指していました。こんなことができたらいい、と。実際には工夫するとノー残業デーが可能であるとわかり、ノー残業デーも実行してみて初めて浮き彫りになってくる問題点があることもわかりました。そう考えてみると「まずはやってみる」ということもこの取り組みにおいては必要だと思います。

これから働き方改革に取り組むという方は、チーム目標(私たちは何のためにカエル会議を行うのか、カエル会議を通じてどのような働き方を手に入れるのか、働き方改革は何のためにするのか)を見失わないことが重要です。チーム目標がぼやけてくると、話し合いの方向性もバラバラになっていきます。ぼやけてしまわない明確な、そして全員が共感しているチーム目標を設定することは重要なポイントであろうと思います。


五十嵐様(柏支店・業務課)

取り組みが始まった当初、支店の業務課という仕事はルーチンの仕事が中心であるため、働き方改革といっても取り組める領域が見つかるだろうかという不安な面がありました。しかし働き方改革の目標を何にするかとメンバーと共に議論し、見つけ出していくうちに、メンバがー「朝の時間帯の清掃の仕方にムダがあるのではないか」という気づきを発信してくれました。これをきっかけにメンバーから自由な意見が発信されるようになり、この活動を前進させてきたと感じています。いま振り返ってみると、メンバーの意見交換が増え、相談する回数も増え、メンバー一人ひとりが今どのような仕事に取り組んでいるのかを全員が理解している状態に、変化してきました。


大東建託株式会社

所在地
東京都港区港南2丁目16番1号
従業員
10,800人(単体総人数、2017年7月末現在)
ホームページ
http://www.kentaku.co.jp/

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