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働き方変革成功企業事例

 内閣府  「霞が関の働き方改革」をリードする!  

   内閣府働き方改革推進モデル事業 成果報告会 2017年7月12日開催

取組前の課題

チーム内の協力体制や業務効率化の必要性を認識しながらも、多忙な日々の中で、コミュニケーションの活性化や業務の棚卸しが後回しに。

取組後の変化

カエル会議を通じ、チーム内で意見を交換しつつ、小さなところから業務改善を図っていく流れが定着。メンバー同士のコミュニケーションも活発になり、休暇取得などの定量的な成果が出たチームもあった。

5チームによる報告会が行われた。 各チームとも、カエル会議を主軸に、チーム内でコミュニケーションを取りながら業務改善に取り組んだ模様を発表。 今後の全庁展開に向けて、各部署の出席者たちが真剣に発表内容に聞き入っていた。

報告会ダイジェスト!

野村人事課長:皆さん、おはようございます。お忙しいところ、多数お集まりいただきまして、ありがとうございます。

今回の働き方改革の取り組みは、大臣官房の中で試行的に始めたものです。やってみて実感したことの1つは、「やらされ感では駄目」ということです。また、大上段ではなく、個別具体的に取り組むことが重要です。「この資料はこの場所に保存しておきましょう。」といった、具体的な取り組みによって効果が得られると感じました。

さらに、目標・ノルマの達成ありきにならないためにも、単純なKPIの設定をしないことが大切です。結果として残業時間が短くなることが望ましいとはいえ、まずはチームの雰囲気が良くなった・コミュニケーションの機会が増えた、といった変化を尊重する方向で行ってきました。

本日は、5チームから成果報告をさせていただきますが、それぞれにユニークでバリエーションがあると思います。お時間が許す範囲でお聞きいただければと思います。


二瓶:皆様は、この取り組みを2月から始められ、研修会と定例会を行ってまいりました。その間、週に1回の「カエル会議」を通じて、皆さん自身で取り組みを進めていただきました。

内閣府は、働き方改革の推進に関連する政策を担当されている省庁ということで、今回の取り組み結果を広めていくことが、今後内閣府の各課で取り組んでいく参考になるのではないかと思います。どんなに小さな取り組みでもやってみて、できなかったことも含めて、すべて発表していただくようにお願いしております。

「カエル会議」には3つの意味が込められています。「早く帰る」「働き方を変える」「人生を変える」です。会議では、まずゴールイメージをみんなで作り、自分たちにとって理想的な働き方は何かを考えた上で、現状はどうなのかを見つめて、そのギャップを埋めていく作業をしてきました。

私たちは「働き方改革は100社あれば100通り」という言い方をするのですが、同じ内閣府の中でも、かなりバラエティが富んでいます。今日聞いたものがそのまま当てはめられなくても、ヒントになることはたくさんあると思います。では早速ですが、取り組んでいただいた5チームの方から報告をいただければと思います。お願いいたします。


【人事課企画・職員担当】

「職員が安心して働き、成長できるようにサポートする」という使命と、「自分自身が笑顔を絶やさず、余裕を持って働くこと」というありたい姿をチーム内で共有しました。取り組んだ内容は以下のとおりです。

  • スリム化……情報が集まりやすい官房としての特徴を生かし、各部局の各担当の連絡先を整理してリストを作成。そのリストを部局へ共有することで、これまでカウンターパートを探す手間がかかっていた各部局の負担を軽減しました。

②マニュアル……よくある問い合わせについてマニュアルを作成し、掲示板に掲示することで問い合わせ対応の削減を図りました。

  • 朝メール……業務状況の共有を図るほか、月曜朝に1週間の退庁目標時間や休暇予定をメンバー全員にメール送信して共有しました。

④年間スケジュール……作成・掲示することで、どのメンバーがいつ頃業務を抱える状態になるかがわかり、新しい業務が生じたときの計画を立てるのに役立ちました。

⑤カエル会議……週に一度、30分に区切って、業務改善や働き方見直しについて議論しました。思っていることを付箋に書き出す形をとることで、いろいろな意見が出ました。

⑥絶対カエル!バッチ……定時退庁をしたいと考えている日はバッジを付け、定時退庁日を”見える化”する取り組みです。周囲も配慮できるようになりました。

⑦離席時の声掛け……部下職員が電話対応に支障を来していましたが、この負担軽減につながりました。

⑧書類一斉清掃……毎週金曜日に一斉整理。1週間の振り返りにもつながりました。

⑨共有フォルダの整理……検索時間の短縮化、仕事の効率化につながりました。

 

成果として、時間外の勤務時間が約3割削減され、有給休暇の取得日数が約3倍に増えたほか、コミュニケーションが取りやすくなり、満足度が向上したと実感しています。

今後は、業務削減のために引き続き議論を続け、チームとして業務に取り組むよりよい方法を考えていきたいと思います。


野村人事課長:担当者のリストを作成し共有する、マニュアルを作成するなど、ちょっとしたことでも、やってみようと発想するに至ったのがよかったと思います。引き続き頑張っていただければと思います。

二瓶:発表の中に、実際に皆さんがすぐにでも活用できそうな施策がたくさん盛り込まれていました。これから人事課の皆さまにはぜひ、周りにも取り組んでもらおうという目的を持って、取り組んだ内容と成果を発信し続けていただければと思います。


【総務課調整3ー2係】

主となる業務が国会関係業務であり、負担も重く、他律的な要素も大きいため、根本的な解決を図るのは困難でした。ただ、その中にあって、「国会担当でも働き方改革はできる」ということで、できるところから半年間取り組んできました。

具体的には、カエル会議を毎週1回、30分ずつ開催。電話やメールに対応するため、自席についたまま会議を行いました。国会開会中は、比較的余裕のある月曜日の午前中に開催。国会閉会中は、定例日を水曜日にして週末前後の休暇取得を推進しました。

毎回、役割の固定化を防ぐため、会議の進行係、時間管理係、記録係、反応係をくじ引きで決めて対応。5月末からはコンサルタントのアドバイスを受け、スタンディングで会議を開催しました。

会議では、付箋に書いてホワイトボードにとりまとめる手法を活用しました。「関係者にとって必要な情報を伝える」という使命を改めて確認し、共有できたことが大きかったと思います。

使命に基づき、課題を4つに分類して、以下の取り組みを実践しました。

①各種答弁資料などのセット……答弁資料のPDFファイルでの提出など。

②国会待機の解除に向けた現状分析、国会質問の待機時間……情報共有などによる業務効率化など。

③休み方改革……カエル会議での休暇取得日の情報共有、引き継ぎ対応など。

④その他……階段利用による健康増進など。

 

結果としてメンバー間で負担の軽減が図られ、チームとしての結束力も上がったと思います。また、休みやすい雰囲気もできました。引き続きカエル会議を定期的に開催したいと考えています。


松久:カエル会議を一番開催しやすいタイミングを探して実行されていました。また、問題解決のためのシートを、みんなが見える場所に用意していたこともよかったと思います。スタンディング会議も大変好評でしたが、会議が短くなる効果が期待でき、すぐにできる方法の1つだと思います。


【総務課審査担当】

私たちは、内閣府の信頼・リーダーシップを支えるために審査をしていることを確認し、その使命を達成するための4つの課題を導き出しました。

「知見や前例の蓄積・共有」「お互い気持ち良く仕事ができるようにする」などです。

以下に具体的な取り組み内容をご紹介します。

 

①I’m Home会議の開催……いわゆる「カエル会議」です。定例会議に加えて、働き方会議の議論を深めました。

②連絡窓口の明確化……別の部局に行くべき連絡が来ないように、各省に向けて窓口を明確にしました。

③QA集の作成・共有……それまで各ラインで回答していた内容について、QA集に記載し、週に一度共有しました。

  • 説明を要する部署への事前連絡……説明の見込みなどをあらかじめ伝えるようにしています。

 

今回、特にご紹介したいのが、役に立った道具です。1つめはホワイトボード。議論の活性化に役立つだけでなく、今日の予定の共有、夏休みの予定、他のモデル部署からいただいたコメントの掲示などに活用しました。また、カエルの置物を早く帰る予定の人のところに置くなど、楽しみながら取り組みました。

成果としては、「コミュニケーションが活性化した」「業務を客観的、俯瞰的に見直すきっかけになった」などの効果を実感しています。

今後は、I’m Home会議を継続するほか、知見をもっと蓄積していきたいと考えています。


笹川総務課長:忙しい中、自主的にたくさんの取り組みをしていただいたと思います。単に早く帰るだけでなく、仕事の満足度・クオリティを高めるために工夫してくれていました。どんどん取り組みを進めていければと思います。

松久:「I’m Home会議」を繰り返し続けてこられたことがすごいと思います。また、他のモデル部署からは「道具や、遊び心を取り入れることが大事だとわかりました」という声が多かったですね。前回の会議のホワイトボードの写真を、今回の会議のホワイトボードの右上あたりに貼るなどで議論がわかりやすくなっていました。ぜひ、参考にして活用いただければと思います。


【会計課契約第1担当】

カエル会議を開き、ありたい姿として以下を挙げました。

・自分で考えるとともに先輩、上司に相談し、早めの解決をする、わからないことは抱え込まないで共有する。

・属人的ではなく、皆でカバーし合えるチームにする。

・勤務時間にメリハリをつけ、たとえ10分でも早く切り上げられるようにする。

・明朗快活に、楽しく業務を遂行する。

 

ありたい姿と現実のギャップは「知識不足」「理解不足」「経験不足」から生じていることがわかりました。それをもとに、下記の取り組みを行いました。

①カエル会議の開催……不定期ではありながら全員で議論をしました。

②常にコミュニケーションを取る……非常に重視して行いました。

③会計課におけるワーク・ライフバランス推進……毎週水曜日と金曜日に、課長から「今日は早く帰りましょう」と呼び掛けがありました。

④事例集の作成……経験不足解消を図りました。

 

結果として、コミュニケーションが活性化し、考えが共有されるなどの効果が得られました。今後は、引き続きミーティングを開催し、課題を提唱する場を作りたいと思います。事例集については、引き続き内容の充実に努めて、拡大を図りたいと思います。


吉住会計課長:繁忙期に担当したこともあり、カエル会議の回数も少なかった中、事例集作成などの結果を残すことができました。事例集は、他部局でも応用できると思いますので、広めていただければと思います。

松久:本当に繁忙な時期に取り組んできたというのが特徴的でした。事例集は、審査係のQA集とも近しいところがあるので、お互いの状況を共有すると、きっといい事例集になっていくと思います。事例集をブラッシュアップしていき、他のテーマを見つけることにも取り組んでいただきたいと思っております。


【企画調整課】

課のあるべき姿として、本人のみならず、カウンターパートナーなどの関係者にとっても満足度の高い仕事を実現したいと考えました。そのために、「受け身でなく、主体的に仕事をする」「不満の少ない職場環境を実現する」の2つが必要と考えました。

上記を実現するための課題として、一部の人や係に業務が偏っていて、課の中で不公平感を感じている人が多い状況、さらには、課に一体感が乏しく、他の係で何をやっているのかよくわからないという状況が見えてきました。

そこで、具体的に以下のことに取り組みました。

①カエル会議……毎週1回、30分程度開催。業務分担の見直し、業務の障害となっている事象への解決策を検討することができました。口頭で話し合うだけでなく、付箋に問題点や解決策を書き出してもらうことで議論が白熱することがありました。また、カエル会議のメンバー以外を含め、課員全員に面談を実施。そこで、キャリアアップのため、他の係の仕事も積極的にやってみたいといった声を聞き、業務分担の見直しなどを行いました。

②業務スケジュール、休暇予定表の共有……他の係と業務状況を共有することで、計画的に休暇を取ることができる状況を実現しました。

③マニュアルの作成……国会対応についてマニュアルを作成することで、主体的・計画的に行動できるようにしていきます。

 

成果としては、業務平準化を推進できました。また、業務の障害も抽出できたので、解決に向けた取り組みを進めています。本年2月から5月の有給休暇の取得は、前年同期比で1.7日増。さらに、職場における満足度アンケートの結果、2月に82.5であったのが、直近では92.5に上がりました。

今後の目標としては、カエル会議の取り組みを課員の他のメンバーにも広げていきたいと考えております。


渡部企画調整課長:一部の職員に業務が偏っていることをフィードバックして、改善策を考え出したということであり、意識の転換ができたという意味で1つの成果ではないかと思います。また、取りたい時にできるだけ休みが取れるようにしようと話していましたので、いい方向に向かっていると思います。

二瓶:もともと現状満足度が一番高い中で、業務の共有などを行っていくうちに、仕事の偏りが一番の問題ではないかということが見えてきました。カエル会議で付箋を使うことによって、メンバーの状況がより共有できるようになったこと、面談を通じて業務の偏りの改善に着手されたことは素晴らしかったと思います。


【ワーク・ライフバランス社講評】

小室:今日は各トライアルチームの発表を見させていただき、ありがとうございました。

働き改革については、今年に入って潮目が全然変わってしまったという感覚を持っています。もはや働き方改革について「やるやらない」の議論はほとんどない状況です。

そうした中、今回の発表を拝見して、非常に進みが速かったと思いました。1つにリーダーの強いコミットが感じられましたし、課長からのメッセージが発せられて、はしごが外されないという安心感のもとで取り組めたことも大きかったと思います。また、今回、国会対応などの他律的な業務に関しても果敢にチャレンジされていたのが素晴らしかったと思います。

 

これから他部局も取り組まれていくと思いますので、私からも改めてポイントをお伝えしておきたいと思います。

まずはカエル会議をとにかく開催すること。会議を通じて、発想をいかに柔軟にして、普段言えないことを短時間で言えるようにするかが大事です。会議によって時間が取られるなどのマイナス面を考える前に、すでに目の前にある問題をいかに変えていくかという発想に切り替えることが重要です。

霞ヶ関の特徴として、カエル会議の中で出てきた意見について、どれをやるかを考えるのに時間を使いすぎる傾向があります。おそらく分析する能力にすぐれているからこそだと思いますが、考えすぎずにトライ&エラーでどんどんやっていくことが大切です。その小さなサイクルをいかに回していくかがカギとなります。

そして、変化をこまめにキャッチしてチーム内で確認することも重要です。「最近会話が増えたんじゃない?」「○○さん顔色が良くなったんじゃない?」「勤務のデータでは○時間減っているよ」といった小さな変化を、リーダーから積極的にメンバーに伝えていただきたいと思います。それによってメンバーは背中を押されることにもなります。

 

また、取り組んだチームとして、少しでも成果が出たら自慢していただきたいと思います。自分のチームが休んでいるのを、隣のチームから白い目で見られたら、だんだん元通りになってしまいます。ですので、他のチームから「あのチーム、最近すごく幸せそうだよね」「業務も全然順調に回っているよね」「うらやましい、教えてほしい」と思われるように発信することが重要です。

 

そして、ぜひみなさんにはライフの時間を増やしてほしいと思います。ライフの時間を増やすと、今まで見えていなかった視野が広がってきます。

今まで自分の働き方にさほど不満がなかったという方も、もしかしたら家族の不満にまったく気づいていなかっただけかもしれません。

ライフの時間に自分の視野が広がり、「あれ、もしかして社会にはこういうことがもっと起きているのかな」と思うことで、今よりも高いレベルで企画を考えられたり、成果を出せたりすることにもつながります。

私たちが働き方改革のコンサルをした企業は、業績が全社的に上がっています。ですので、働き方改革はイノベーションを起こす取り組みであるとのイメージを持ち、ぜひここからさらに進めていただけたらと期待しております。ありがとうございました。


【総括】

酒田人事課参事官:本当に5チームの皆さま方、ご多忙の中、非常に前向きに取り組んでいただきまして、ありがとうございます。今回やっていただいて、ある程度予測していた課題がはっきりしたこともあれば、新たな気付きもあったかと思います。それらが今後につながっていくことを期待していますし、さらにいろいろなところに広まっていけばと思います。

野村人事課長:5チームそれぞれ、非常に一生懸命発表していただいてありがとうございました。今後も引き続き継続していきたいと思います。

今後は、このプロジェクトの横展開と、管理職向けのマネジメント研修、若い人向けの仕事の効率化研修をやろうと思っています。

それから、この推進事業に関しましては、発表していただいた内容を整理して、使える取り組みリストを作ります。各部署で持ち帰っていただいて、参考になるようなところはご参考いただき、全庁的な取り組みにしていければと思います。

小室社長から総括いただきましたが、これからが本番だと改めて思いました。これまでのご指導に感謝申し上げます。引き続きよろしくお願いできればと思います。今日はお忙しい中、大変ありがとうございました。

 

官房人事課・長野浩二氏(事務局担当):取組成果の横展開もそうですが、今後は、いかに「自分ごと」として主体的に取り組める職員を増やすかが課題だと認識しています。これからが本番です。

以上で働き方改革モデル事業の成果報告会を終わります。どうもありがとうございました。


内閣府

【所在地】千代田区永田町1-6-1
【HP】http://www.cao.go.jp/

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